戸倉山の大鷲

まんが日本昔ばなし「戸倉山の大鷲」

概要

「戸倉山の大鷲」は、まんが日本昔ばなしの人気エピソードの一つで、第559話Bで放送されました。この話は、長野県の美しい山々に囲まれた村を舞台とした、感動的なストーリーです。

あらすじ

昔々、信州は戸倉山の麓に長谷という村がありました。この村には清兵衛という百姓がおり、この春には女房のお袖との間に子供も生まれ、幸せに過ごしていました。

ところが、ある日、赤子は戸倉山に住むつがいの大鷲にさらわれてしまいます。このことがあってから、一滴の酒も飲まなかった清兵衛は、畑仕事もせずに人が変わったように大酒を飲むようになりました。そんな清兵衛を見た村人は、「無理もない。人一倍子煩悩じゃったからのう。」と同情するのだった。

この様子を見かねたお袖の父親の三蔵は、一人で赤子の仇討ちに鉄砲をかついで戸倉山に登ります。戸倉山の山頂で大鷲を待ち構えていると、果たしてつがいの大鷲が巣に戻ってきました。三蔵は1羽を首尾よく鉄砲で撃ち殺したが、つがいのもう1羽の逆襲で崖下に転落して死んでしまいます。

三蔵を心配した村人が山に登ると、崖下には三蔵と大鷲の死体、それに血に染まった赤子のむつき(産着)が見つかりました。父親も亡くし、赤子が生きているかもしれないという一縷の望みも絶たれたお袖は、それ以後気が狂ってしまい、子守唄を歌いながら亡き子の産着をかかえて、あてもなく彷徨い歩くようになった。

これを見た夫の清兵衛は、いくら酒を飲んでも苦しみから逃れることはできないと悟り、息子の仇を討とうと決心。残る一羽を討つべく大鎌をもって雪の降るなか戸倉山に登る。それ以後、大鷲の姿を見ることはなくなったが、清兵衛も山から戻って来ることはなかった。

教訓

この話は、大切な人を失った悲しみと、その悲しみを乗り越えるために必要な勇気を教えてくれます。清兵衛とお袖は、赤子の死によって深い悲しみを味わいますが、それぞれが自分なりの方法で悲しみと向き合い、前に進んでいくことを決意します。

また、この話は、命の尊さについても考えさせられます。赤子の命は突然奪い去られ、三蔵も大鷲との戦いで命を落とします。これらの死を通して、命の儚さと大切さを改めて認識することができます。

文化的重要性

「戸倉山の大鷲」の物語は、死や悲しみといった普遍的なテーマを扱いながら、日本の文化的な価値観も反映しています。家族の絆や自然への畏敬の念などが描かれており、視聴者に深い感動を与えてくれます。

結論

「戸倉山の大鷲」は、悲しみと勇気、そして命の尊さを描いた、心に残る物語です。家族や大切な人を失った経験を持つ人々に、共感と希望を与えてくれる作品と言えるでしょう。
動画:

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