馬の毛をぬくカッパ

まんが日本昔ばなし「馬の毛をぬくカッパ」

あらすじ

昔、江戸は隅田川の今戸(いまど)という所に、働き者の与八という馬方がいました。ある朝、与八がいつものように馬小屋の様子を見に行くと、身の丈が4尺くらい(約120cm)のカッパが馬のしっぽを引っ張ろうとしていました。

与八は、気の弱い小さなカッパを可哀想に思って、馬のしっぽの毛を5.6本ほど抜いてカッパに渡しました。カッパは何度もお礼を言いながら、大喜びで帰っていきました。

しばらくたったある日のこと、馬小屋にきたない袋が置いてありました。中を開けてみると、たくさんの小判が入っていました。与八はびっくりしましたが、カッパがくれた小判だと思い、有り難く使わせていただきました。

それからというもの、与八は毎日カッパに馬の毛を少しずつ分けてあげていました。ある日、カッパが与八にお礼を言いに来ました。「あなたは私を助けてくれたので、私はあなたにお礼がしたいのです。これからあなたはどんな願い事も叶えてあげましょう。」と言いました。

与八は、特に欲しいものはありませんでしたが、念のために「では、お願いがあります。私の主人が病気がちなので、どうか助けてください。」と言いました。カッパは承知し、与八の主人の病気を治してくれました。

主人が病気が治ったので、与八は大変喜びました。そして、カッパに感謝の気持ちを伝えました。カッパは「これからも困ったことがあったら、遠慮なく私を呼んでください。」と言って、川の中へと消えていきました。

教訓

「馬の毛をぬくカッパ」は、親切心を持つことの大切さを教えてくれる話です。困っている人を助けると、自分も助けてもらえることがあるということを示しています。

エピソードの特徴

カッパの恩返し: 与八はカッパを助けたことで、たくさんの小判とお礼の言葉を貰います。
与八の優しさ: 与八はカッパの願いを聞き入れ、主人の病気を治して貰います。
人と妖怪の交流: この話は、人間と妖怪が互いに助け合うという、温かいストーリーです。

その他

「馬の毛をぬくカッパ」は、日本各地に似たような民話があります。
この話は、思いやりや感謝の気持ちの大切さを伝える、心温まる作品です。

「馬の毛をぬくカッパ」は、勧善懲悪のストーリーだけでなく、人と人との繋がりや、自然への畏敬の念も表現している作品です。ぜひ一度、この話をじっくりと味わってみてください。

動画:



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千鳥の歌のあらすじ

まんが日本昔ばなし「千鳥の歌」

あらすじ

昔々、沖縄県の糸満(いとまん)という所に、マンクーという名前の漁師の爺さんが住んでいました。マンクー爺さんにはジラーという名前の息子がいたのですが、ある日漁に出たまま行方不明になってしまいました。

その後、マンクー爺さんは毎晩浜辺でジラーの帰りを待ちながら、悲しみの歌を歌いました。すると、一羽の千鳥が飛んできて、マンクー爺さんの歌に合わせ、美しい声で鳴き始めました。

千鳥の歌を聞いたマンクー爺さんは、心が慰められ、少しだけ希望を持つことができました。それからというもの、マンクー爺さんは毎晩千鳥と一緒に歌を歌い、ジラーの帰りを待ち続けました。

ある日のこと、マンクー爺さんが浜辺で歌っていると、遠くからジラーの声が聞こえました。ジラーは、無事に家に帰ってきたのです。

マンクー爺さんは、ジラーの帰りを喜び、千鳥にも感謝しました。そして、マンクー爺さん、ジラー、そして千鳥は、一緒に歌って喜びを分かち合いました。

教訓

「千鳥の歌」は、家族の愛や、希望を持つことの大切さを教えてくれる話です。また、自然の美しさや、動物との心通いも描かれています。

エピソードの特徴

マンクー爺さんの悲しみ: マンクー爺さんは、息子ジラーが行方不明になったことで悲しみに暮れています。
千鳥の歌: 千鳥は、マンクー爺さんの悲しみに寄り添い、美しい歌で慰めます。
ジラーの帰還: ジラーは、無事に家に帰ります。
家族の喜び: マンクー爺さん、ジラー、そして千鳥は、一緒に歌って喜びを分かち合います。
教訓: この話は、家族の愛や、希望を持つことの大切さを教えてくれます。

その他

「千鳥の歌」は、沖縄の民謡「浜千鳥節」を題材にした話です。
この話は、人間の心の弱さや、真の強さとは何かということを考えさせてくれる作品です。

「千鳥の歌」は、勧善懲悪のストーリーではありませんが、心温まるストーリーと深い教訓を持つ作品です。ぜひ一度、この話をじっくりと味わってみてください。


参考資料

http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=247
https://www.youtube.com/watch?v=Wl1Md6urJv8 ■記事へ行く
千鳥の歌 – まんが日本昔ばなし