カチカチ山:お婆さんを騙したタヌキをウサギが復讐する物語

カチカチやまとは?

カチカチ山とは、
おばあさんを殺したタヌキを、おじいさんの代わりにウサギが様々な方法で追い詰めていく痛快な復讐譚です。

『カチカチ山』のあらすじ

むかしむかし、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。ある日、おじいさんは畑を荒らすタヌキを捕まえ、タヌキ汁にしようと家に持ち帰りました。

おばあさんがタヌキを見張っている間に、タヌキはおばあさんを騙して縄を解かせました。自由になったタヌキは、おばあさんを杵で殴り殺し、その肉で「ばばあ汁」を作りました。

タヌキはおばあさんに化け、帰ってきたおじいさんに「ばばあ汁」を食べさせました。食べ終わった後、タヌキは正体を明かし、「婆汁食った、婆汁食った」と言いながら逃げ去りました。

悲しみに暮れるおじいさんのもとに、友達のウサギがやってきました。事情を聞いたウサギは、タヌキへの仕返しを決意します。

ウサギは知恵を使って、タヌキに対して3つの報復を行います。

  1. ウサギはタヌキを騙して柴を背負わせ、火打ち石で火をつけました。
  2. さらに、やけどを負ったタヌキに唐辛子味噌を塗らせ、苦しめました。
  3. 最後に、ウサギはタヌキを海に誘い出し、土でできた舟に乗せて沖に出ました。舟が沈み始めると、ウサギはタヌキの悪行を指摘し、タヌキは海に沈んでいきました。

『カチカチ山』の良い点、悪い点

良い点 悪い点
  • 教訓的な要素: この物語は、悪行に対する報いについて教えてくれます。悪い行いをすれば必ず報いがあるという道徳的なメッセージを伝えています。
  • キャラクターの特徴: 主人公であるウサギとタヌキのキャラクターが明確に描かれており、子供たちにわかりやすいです。ウサギは賢くて正義感が強く、タヌキはずる賢くて悪者として描かれています。
  • 想像力を刺激する: 物語の中でウサギがタヌキを騙すために使う様々な方法(カチカチ山や泥船など)は、子供たちの想像力を刺激します。
  • 暴力的な内容: 物語の中には、タヌキが老婆を殺す場面や、ウサギがタヌキに復讐するために苦しめる場面が含まれており、現代の基準では暴力的すぎると感じる人もいます。
  • 報復の正当化: ウサギの行動は正義感に基づくものですが、復讐のためにタヌキを酷く罰することが、報復の正当化と解釈される可能性があります。これは道徳的に議論の余地があります。

『カチカチ山』についてよくある質問と回答

『カチカチ山』という名前の由来とは?

『カチカチ山』という名前の由来は、日本の昔話の中でウサギがタヌキの背負った柴に火をつける際に発生する「カチカチ」という音に関連しています。この音は火打石が打ち合わさる音であり、タヌキがその音を不思議に思い、ウサギに尋ねる場面があります。ウサギはその音を「ここはかちかち山だから、かちかち鳥が鳴いている」と答え、このやり取りが物語のタイトルの由来となっています。

本当は怖い『カチカチ山』の残酷さとは?

この物語の残酷さは、以下の点に集約されます。

カニバリズム

タヌキが殺したおばあさんを料理しておじいさんに食べさせるという行為は、非常に衝撃的です。この部分は、物語の中でも特に不気味な要素として強調されています。

段階的な苦痛

ウサギがタヌキに対して行う復讐は、単なる殺害ではなく、タヌキに対して段階的に苦痛を与えるものであり、ウサギの行動はサディスティックとも言えます。

『カチカチ山』から得られる教訓とは?

悪事は必ず報いを受ける

タヌキはおばあさんを騙して命を奪い、その後おじいさんに「ばばあ汁」を食べさせるという残酷な行為を行いますが、最終的にはウサギによって懲らしめられます。この因果応報のテーマは、悪いことをすれば必ずその結果が返ってくるという道徳的なメッセージを強調しています。

弱者をいじめるのは間違い

タヌキはおじいさんとおばあさんを騙し、彼らの善意を利用しますが、ウサギはその不正を見逃さず、タヌキに対して復讐します。この点から、弱者を助けることや、不正に対して立ち向かうことの大切さが示されています。

知恵と勇気が人生を切り開く

ウサギはタヌキに対抗するために巧妙な策略を用い、知恵と勇気で困難な状況に立ち向かいます。この物語では、単なる力ではなく、知恵や工夫が勝利につながることが強調されています。

『カチカチ山』と『さるかに合戦』を比較

『カチカチ山』と『さるかに合戦』は日本の代表的な昔話ですが、いくつかの点で異なります。以下の表で両者を比較します。

特徴 カチカチ山 さるかに合戦
主人公 蟹(子蟹)
敵役
物語の主題 仇討ち 仇討ち
助っ人 なし 栗、蜂、臼など
結末(伝統的) 狸を殺す 猿を倒す

『カチカチ山』から得た教訓を転職に活かす方法

悪事には報いがあることを理解する

タヌキが悪事を働いた結果、ウサギによって懲らしめられます。この教訓から、職場での不正行為や他人を陥れる行為は最終的に自分に返ってくることを理解しましょう。転職先では誠実に働き、正直な行動を心がけることが重要です。

逆境に対処するための知恵と工夫

ウサギはタヌキに対して様々な策略を用いて復讐します。転職の際にも、新しい環境や困難な状況に対して柔軟に対応するための知恵と工夫が必要です。新しい職場で問題に直面したときには、創造的な解決策を見つけることが求められます。

困難を乗り越えるための粘り強さ

ウサギはタヌキを何度も懲らしめることで目的を達成します。転職活動や新しい職場での試練を乗り越えるためには、粘り強さと根気が必要です。困難な状況でも諦めずに取り組む姿勢が、成功につながります。

正義感と他者を守る意識

ウサギはタヌキの悪事に対して正義感から行動します。転職先でも、チームメンバーや同僚を守り、サポートする姿勢を持つことが大切です。正義感を持ち、他者の利益を考えて行動することで、信頼される存在となります。

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花咲か爺さんのあらすじ


  1. 昔、心優しいお爺さんとお婆さんが、隣に住む意地悪なお爺さんとお婆さんと暮らしていました。

  2. ある日、心優しいお爺さんのところに子犬が逃げてきて、「ポチ」と名付け可愛がりました。

  3. ポチが裏山で「ここ掘れワンワン」と吠えた場所を掘ると、小判がたくさん出てきました。

  4. 隣の意地悪なお爺さんがそれを知り、ポチを借りて裏山を掘るも、蛇や化け物が出てきたため、怒ってポチを殺してしまいました。

  5. 悲しんだお爺さんは、ポチの亡骸を裏山に埋め、墓標を立てました。

  6. その墓標が成長して大きな木になったので、その木で臼を作り餅をついたところ、餅が小判に変わりました。

  7. 隣の意地悪なお爺さんが真似をすると、餅は泥団子に変わり、顔を汚してしまいました。

  8. 怒った意地悪なお爺さんは臼を壊して燃やしてしまいます。

  9. 心優しいお爺さんがその灰を集めると、風が吹いて灰が飛び、枯れ木に桜の花が咲きました。

  10. 殿様がその噂を聞きつけ、お爺さんに褒美を与えました。

  11. 隣の意地悪なお爺さんも真似をして灰を撒いたところ、殿様に灰がかかってしまい、牢屋に入れられてしまいました。

  12. 心優しいお爺さんとお婆さんの住む村は、その後「花咲か村」として知られるようになりました。

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