雀とキツツキと山鳩:親孝行をテーマにして、それぞれの鳥の特性の由来を描いた物語

雀とキツツキと山鳩すずめときつつきとやまばととは?

『雀とキツツキと山鳩』とは、
日本の昔話で、親孝行をテーマにして、雀とキツツキの羽の色と食べ物、山鳩の行動と鳴き声の由来を描いた物語です。

『雀とキツツキと山鳩』のあらすじ

この物語は二つの部分から成り立っています。

■前半
「雀とキツツキ」の物語では、姉のキツツキと妹の雀が登場します。

二人は呉服屋で奉公していましたが、妹の雀は親切で働き者であるのに対し、姉のキツツキはわがままで欲張りでした。

ある日、父親が重い病気にかかっているとの知らせが届きます。

妹の雀は急いで白い反物を着物に仕立てて帰りますが、姉のキツツキは美しい着物を仕上げることを優先し、父親が亡くなった後にようやく帰ります。

父の墓前で、雀は泥だらけの姿で悲しんでいると、姉のキツツキは自分の美しい着物を自慢します。

すると神様が現れ、「孝行な雀には美味しい米を食べるように、親不孝なキツツキには木をつついて虫を食べるように」と告げます。

その結果、雀は茶色い羽根で米を食べ、キツツキは綺麗な羽根でありながら虫を食べることになります。

■後半
「山鳩」の物語では、へそ曲がりな男の子が登場します。

彼は人が言ったことに対し正反対の行動をする性格で、そのため父親は心配しすぎて病気になってしまいます。

父親は死ぬ直前、「自分が死んだら山に埋めてほしい」と願いますが、息子には「川のそばに埋めてくれ」と言いました。

息子はこの言いつけだけは守り父親を川のそばに埋めます。

その後、男の子は父親のお墓が雨で流されることを心配し、「鳥だったら飛んでいけるのに」と思います。

その様子を見て、神様は男の子を山鳩に変身させます。

彼は山鳩になって空を飛ぶようになり、雨が降るたびに父親を心配して「ててぽっぽ」と鳴くようになったとされています。

『雀とキツツキと山鳩』の良い点、悪い点

良い点 悪い点
  • 親孝行の重要性: 雀とキツツキの行動を通して、孝行の大切さや、親不孝の末路が如実に描かれています。子供たちに道徳的な教訓を与えます。
  • 動物の擬人化: 雀やキツツキ、山鳩といった動物に人間の感情や行動を投影することで、物語に深みを与えています。動物を通して、人間社会の様々な問題を寓話的に表現している点が興味深い。
  • 普遍性: 孝行や親心といった普遍的なテーマは、時代や文化を超えて共感を得られるものです。そのため、この物語は長い間人々に語り継がれ、現代においてもその価値を失っていません。
  • 道徳的な圧力: 物語は親孝行を強調するあまり、他の価値観(例えば自己実現や個人の幸福)を軽視しているようにも見えます。特にキツツキが不幸になる様子は、見栄や自己中心的な行動が悪い結果を招くというメッセージとして受け取られますが、それが必ずしも全ての状況に当てはまるわけではありません。

『雀とキツツキと山鳩』から得られる教訓

『雀とキツツキと山鳩』の昔話から得られる主な教訓は以下の通りです。

親孝行の大切さ

雀は親の病気を聞いてすぐに帰省し、着物よりも親を優先しました。その結果、後に報われることになります。

物質主義の危険性

キツツキは親よりも着物を重視し、その結果として制限された生活を送ることになりました。

思いやりの重要性

山鳩の話では、親不孝だった男の子が最終的に親のことを心配するようになり、その気持ちが鳥になった後も続いています。

行動の結果責任

キツツキと雀の選択が、それぞれの将来の生活様式を決定づけました[1]。山鳩の話でも、男の子の行動が最終的に鳥への変身につながっています。

反省と成長の可能性

山鳩の話では、以前は反抗的だった男の子が、親の死後に反省し、親を思いやる心を持つようになりました。

これらの教訓は、家族の絆、思いやり、そして自分の行動に責任を持つことの重要性を強調しています。

『雀とキツツキと山鳩』と『花咲か爺さん』を比較

『雀とキツツキと山鳩』と『花咲か爺さん』は、日本の昔話として知られています。

以下の表で両者を比較します。

特徴 雀とキツツキと山鳩 花咲か爺さん
主な登場人物 雀、キツツキ、山鳩 善良な老夫婦、意地悪な隣人
テーマ 親孝行、選択の結果 善行の報い、欲深さの戒め
物語の舞台 森、里
動物の役割 主役 犬が重要な役割を果たす
教訓 親を大切にすることの重要性 親切と正直さが報われる
結末 各鳥の特性が決まる 善良な老夫婦が幸せになる

『雀とキツツキと山鳩』では、雀が親孝行の結果として好きな食べ物を食べられるようになり、キツツキは親よりも着物を優先したために虫しか食べられなくなります[1]。一方、『花咲か爺さん』は、善良な老夫婦の親切な行動が最終的に報われ、幸せな結末を迎える物語です。

両方の物語は、日本の伝統的な価値観や道徳観を反映しており、子供たちに重要な教訓を伝える役割を果たしています。

『雀とキツツキと山鳩』から得た教訓を転職に活かす方法

人間関係を大切にする

雀が親孝行であったために良い結果を得ました。転職活動でも、人間関係やネットワークが非常に重要です。前職で築いた人間関係や信頼関係は、新しい職場でも役立つ資源となります。過去の経験や人脈を大切にし、それを活かすことで新しい環境でもスムーズに適応できるでしょう。

自己を正しく評価する

キツツキは自分の見栄を優先した結果、苦労しました。この点から学べるのは、転職活動では、自分のスキルや経験を客観的に見つめ直し、それを新しい職場でどう活かせるかを考えることが重要です。

リスクを考える

物語では、男の子が父親の意向とは逆の行動を取った結果、大きな問題に直面しました。転職にはリスクが伴うので、自分が選ぶ道について十分な情報収集と分析を行い、そのリスクとメリットを理解した上で決断することが求められます。

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一寸法師のあらすじ


  1. 昔、おじいさんとおばあさんが、子供を授かるように天道様に毎日お願いしていました。

  2. 二人の願いが通じ、**一寸(約3センチ)ほどの小さな男の子**を授かりました。

  3. その子は**一寸法師**と名付けられ、大切に育てられました。

  4. 一寸法師は成長しても大きくならず、15、16歳になった頃、**都へ行ってみたい**と思うようになりました。

  5. おじいさんとおばあさんは心配しましたが、一寸法師の決意は固く、**針を刀に、麦わらを鞘に、お椀を舟にして**都へ旅立ちました。

  6. 川を下り、都に着いた一寸法師は、**大きな屋敷で奉公すること**になりました。

  7. その屋敷の**お姫様**に仕え、いつも一緒に過ごすうちに、お姫様は一寸法師を気に入りました。

  8. ある日、お姫様とお参りに行った帰り道で**鬼**が現れ、お姫様を襲おうとしました。

  9. 一寸法師は鬼に立ち向かいましたが、**鬼に飲み込まれてしまいました**。

  10. 一寸法師は鬼のお腹の中で針の刀で暴れ、**鬼は降参して逃げ出しました**。

  11. 鬼が忘れていった**打ち出の小槌**を使い、お姫様が一寸法師を大きくしました。

  12. **大きくなった一寸法師はお姫様と結婚**し、故郷のおじいさんとおばあさんを都に呼び寄せ、**皆で幸せに暮らしました**。

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一寸法師 – まんが日本昔ばなし