浦島太郎:亀を助け竜宮へ行った浦島太郎が玉手箱を開けて老人になる物語

浦島太郎うらしまたろうとは?

『浦島太郎』とは、
亀を助けた漁師が竜宮城で歓待を受けるが、帰郷後、玉手箱を開けてしまい老人になる
という日本の昔話です。

『浦島太郎』のあらすじ

昔々、浦島太郎という心優しい漁師がいました。

彼は毎日魚を釣って両親を養っていましたが、ある日、浜辺で子供たちにいじめられているカメを助けます。

数日後、海で釣りをしていると、助けたカメが現れ、お礼に竜宮へ招待されます。

竜宮では、乙姫様が浦島太郎を歓迎し、豪華なごちそうや歌や踊りで楽しませます。

浦島太郎は夢のような日々を過ごしますが、3年が経つと、故郷の両親が恋しくなり、家に帰ることを決めます。

乙姫様は残念がりながらも、決して開けてはいけないと念を押して、玉手箱を渡します。

浦島太郎が村に帰ると、300年もの時間が経っており、知っている人は誰もいません。

寂しくなった浦島太郎は、乙姫様の言葉を忘れて玉手箱を開けてしまいます。

すると、中から白い煙が出てきて、浦島太郎はたちまちおじいさんになってしまいました。

『浦島太郎』の良い点、悪い点

良い点 悪い点
  • 教訓:善行は自分に返ってくる。約束を守ることの大切さを教えてくれる。
  • 異世界体験の魅力:竜宮城での美しい描写や、ご馳走、音楽、踊りなど、夢のような世界が描かれている。
  • 物語の普遍性:異郷訪問、禁忌、時間の経過という普遍的なモチーフが含まれており、共感を呼びやすい。
  • 因果応報の不整合:亀を助けたにもかかわらず、最終的に悲惨な結末を迎えるため、善行が報われるという教訓と矛盾する。

『浦島太郎』についてよくある質問と回答

『浦島太郎』から得られる教訓とは?

『浦島太郎』の物語から得られる教訓は、主に以下の2点です。

良い行いは自分に返ってくる

浦島太郎は、いじめられていた亀を助けたことで、竜宮城での歓待という形で報われました。

約束は守らなければならない

乙姫様から「決して開けてはならない」と言われた玉手箱を、浦島太郎は開けてしまったために、急に老人になってしまうという結果を招きました。このことから、約束を破ることの危険性が示唆されています。

『浦島太郎』の別バージョンは?

室町時代に成立した御伽草子では、浦島太郎は亀を助けるものの、背中に乗って竜宮へ行くのではなく、漂着した女性に頼まれて船で竜宮へ向かいます。竜宮城は海中ではなく、島か大陸にあるように描かれています。また、浦島太郎が竜宮で過ごす間に地上では700年が経過し、玉手箱を開けると鶴になって蓬莱山へ飛び去るという結末になっています。乙姫も亀になり、夫婦の明神として祀られます。

なぜ乙姫様は浦島太郎に玉手箱を渡したのですか?

浦島太郎が家に帰ることを決めた際、乙姫様は寂しく思い、別れの記念として玉手箱を渡しました。玉手箱には、浦島太郎が竜宮で過ごした時間が込められており、それを持つことで、いつかまた再会できるかもしれないという願いが込められていたとされています。

『浦島太郎』と『かぐや姫』を比較

『浦島太郎』と『かぐや姫』は、日本の伝統的な昔話として広く知られています。両者には類似点と相違点があり、以下の表で比較してみましょう。

項目 浦島太郎 かぐや姫
起源 日本の民話 日本の民話
主要登場人物 浦島太郎、亀、乙姫 かぐや姫、竹取の翁、求婚者たち
舞台設定 海、竜宮城 地上、月
あらすじ 浦島太郎が亀を助け、竜宮城へ行き、帰郷すると多くの年月が経過していた かぐや姫が竹から生まれ、急速に成長し、最終的に月へ帰還する
主題/教訓 好奇心の結果と時間の経過 人生の儚さと叶わぬ願望
結末 浦島太郎が箱を開け、老人になる かぐや姫が月に帰り、地上の養父母と別れる

両物語には興味深い共通点と相違点があります。

共通点

  1. 超自然的要素: 両話とも現実世界と異なる世界(竜宮城と月)が登場し、主人公がそこを訪れます。

  2. 時間の歪み: 浦島太郎の物語では地上と竜宮城で時間の流れが異なり、かぐや姫は3ヶ月で大人に成長するなど、通常とは異なる時間の経過が描かれています。

  3. 別離のテーマ: 両物語とも、主人公が最終的に元の世界や愛する人々と別れることになります。

相違点

  1. 主人公の出自: 浦島太郎は普通の漁師ですが、かぐや姫は竹から生まれた超自然的な存在です。

  2. 物語の方向性: 浦島太郎は地上から異世界へ行って戻ってくる「浦島太郎型」、かぐや姫は地上に来て異世界へ帰る「かぐや姫型」と呼ばれる構造の違いがあります。

  3. 主人公の選択: 浦島太郎は好奇心から箱を開けてしまいますが、かぐや姫は自らの意思で月に帰ることを選びます。

これらの物語は、時間の流れや人生の儚さ、異世界との交流など、深遠なテーマを含んでおり、単純な教訓だけでなく、人間の存在や運命について考えさせる奥深い内容を持っています。両物語とも、日本文化における時間や運命、そして人間と超自然的な力との関係性について、独自の視点を提供しています。

『浦島太郎』から得た教訓を転職に活かす方法

『浦島太郎』の物語から得られる教訓を転職に活かす方法として、以下の点が考えられます。

約束を守ることの重要性

浦島太郎は乙姫様から「決して開けてはならない」と言われた玉手箱を開けてしまったために、急に年老いてしまいました。転職活動や新しい職場では、企業や同僚との約束を守ることが重要です。納期、秘密保持、業務上の約束など、小さな約束でも誠実に守ることで、信頼関係を築き、キャリアを成功に導くことができるでしょう。

変化への適応力

浦島太郎が竜宮城から帰ると、故郷は変わり果て、知っている人もいなくなっていました。これは、転職によって環境が大きく変わる状況に似ています。新しい職場では、新しいやり方、新しい人間関係に適応する能力が求められます。変化を恐れず、柔軟に対応することで、転職先で活躍できる可能性が高まります。

焦らない

浦島太郎は、故郷の変わりように焦り、玉手箱を開けてしまいました。転職活動は時間がかかる場合もありますが、焦らずにじっくりと取り組むことが大切です。

これらの教訓を踏まえ、転職活動や新しい職場での行動に活かすことで、より良いキャリアを築けるでしょう。

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初夢長者のあらすじ


  1. ある長者が、**正月の二日目の晩**に見た初夢を話すように使用人たちに命じました。

  2. 他の使用人が初夢を話す中、**一番小さい小僧だけは、いくらお金を積まれても初夢を話そうとしませんでした**。

  3. 怒った長者は、小僧を**実家に帰し**、さらに小僧が夢を語らないことに腹を立てた父親は、**小僧をうつぼ船に乗せて海に流してしまいました**。

  4. **何十日も海を漂流した後**、小僧は**鬼ヶ島**に流れ着きます。

  5. 鬼たちは、小僧を**太らせてから食べよう**と、牢屋に入れて食べ物を与えました。

  6. 食べられる直前、小僧は**鬼の宝物を見たい**と言い、鬼から**千里棒、聞き耳棒、生き棒**の三つの宝を受け取ります。

  7. 小僧は**千里棒**を使って鬼ヶ島から脱出し、**聞き耳棒**を使って西の長者の娘が病気であることを知ります。

  8. 小僧は**生き棒**を使って娘の病気を治し、**娘の婿**となりました。

  9. 川を隔てた東の長者の娘も病気になったため、小僧は同様に**生き棒**で治療し、東の長者にも婿として引き止められます。

  10. **二人の娘の婿**となった小僧を巡って、西と東の長者が喧嘩になり、**お殿様の裁きで、月の前半は東の婿、後半は西の婿**となるように決められました。

  11. 小僧がこうして成功したのは、**初夢で金の大黒様を前と後ろに抱いている夢を見たおかげ**で、**初夢は人に話さないと叶う**と言われています。

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初夢長者 – まんが日本昔ばなし