ぶんぶく茶釜とは、タヌキが茶釜に化けて芸を披露し、古道具屋さんと協力して見世物小屋で大繁盛する民話

ぶんぶく茶釜ちゃがまとは?

ぶんぶく茶釜とは、
タヌキが茶釜に化けて芸を披露し、古道具屋さんと協力して見世物小屋で大繁盛する、群馬県の茂林寺に伝わる日本の民話です。

ぶんぶく茶釜のあらすじ

上野国(現在の群馬県)の茂林寺に、茶の湯が趣味の和尚さんがいました。ある日、和尚さんが買ってきた茶釜が不思議な振る舞いをします。和尚さんが居眠りをしている間に、茶釜から頭や手足、尻尾が生えてきたのです。
小坊主たちが騒ぎ立てましたが、和尚さんは信じませんでした。しかし、茶釜を炉にかけると、正体を現しました。不気味に思った和尚さんは、茶釜を古道具屋さんに売り渡しました。
夜になると、茶釜は古道具屋さんに正体を明かします。実は猟師から逃れるために茶釜に化けたたぬきだったのです。たぬきは自分を「ぶんぶくちゃがま」と名乗り、丁重に扱ってくれれば芸を披露すると約束しました1。
古道具屋さんは見世物小屋を作り、たぬきの踊りや綱渡りの芸を披露しました。これが大人気となり、古道具屋さんは一財を成しました。
最後に、古道具屋さんは儲けの半分をお布施として寺に納め、茶釜を茂林寺に返却しました。それ以来、ぶんぶくちゃがまは茂林寺の宝物として大切にされました。

ぶんぶく茶釜の良い点、悪い点

良い点 悪い点
  • 動物の恩返し: 狸が茶釜に化けて恩返しをするというテーマを持っています。この動物報恩の要素は、感謝や優しさの重要性を教えています。
  • ユーモアと楽しさ: 狸が茶釜から頭や手足を出して踊るシーンなど、ユーモラスで楽しい要素が多く含まれています。
  • 文化的意義: 茂林寺に伝わるこの物語は、日本文化の一部として広く知られており、地域の伝承や民話としても重要な位置を占めています。
  • 動物の搾取: たぬきを道具として扱う描写が現代の動物愛護の観点から問題視されることがあります。
  • たぬきへの偏見: 狸は化け物という偏見を助長する可能性があります。

ぶんぶく茶釜についてよくある質問

なぜ「ぶんぶく」という名前なのか?

茶釜が湯を沸かすときの音「ぶんぶく」という擬音語から名付けられたと言われています。また、「分福」という漢字を当てることもあり、これは福を分け与えるという意味も込められています。

ぶんぶく茶釜には2つの結末がある?

ぶんぶく茶釜の結末には2つのバージョンがあります。

  • 狸は化け続けた疲れから病気になり、元の姿に戻れないまま死んでしまいます。古道具屋は茶釜を寺に返し、和尚に事情を説明して供養してもらいます。茶釜は寺の宝物として安置されます。
  • 狸は以前和尚から恵んでもらった恩を思い出し、寺に戻って暮らすことになります。茶釜は毎日お供え物をもらい、寺の家宝となります。

ぶんぶく茶釜の寺「茂林寺」とは?

伝説によると、茂林寺にはぶんぶく茶釜の由来となった実際の茶釜が安置されており、一般の参拝者も見学することができます。寺にはぶんぶく茶釜にちなんだ茶釜の像や展示があり、多くの観光客が訪れる観光スポットとなっています。

ぶんぶく茶釜から得られる教訓とは?

困った人を助けることの重要性

物語では、狸が古道具屋に自らの正体を明かし、見世物小屋で芸を披露することで恩返しをします。これは、他者を助けることで自分にも良い結果が返ってくることを示しています。

優しさと寛容さ

古道具屋さんは狸を丁重に扱い、その結果として大きな利益を得ます。欲張らず、得た利益の一部をお布施として返す姿勢は、優しい心と寛容さの重要性を教えています。

真実を見る力

物語には、和尚が狸の正体を見抜けずに茶釜を手放してしまう場面があります。これは、表面的な事象だけでなく、その背後にある真実を見る力の大切さを示唆しています。

ぶんぶく茶釜と鶴の恩返しを比較

ぶんぶく茶釜と鶴の恩返しは、日本の有名な昔話です。両者を比較した表を以下に示します。

特徴 ぶんぶく茶釜 鶴の恩返し
主人公 たぬき
変身対象 茶釜 人間(女性)
恩を受けた相手 古道具屋 貧しい男性
恩返しの方法 芸を披露して金儲けを手伝う 織物を織って売る
舞台 群馬県館林市の茂林寺 特定の地域は不明
結末 たぬきは寺宝として大切にされる 鶴の正体が露見し、去っていく

両話の共通点は、動物が人間に恩返しをするという動物報恩譚であることです[1]。しかし、ぶんぶく茶釜では、たぬきが茶釜に化けるという独特の要素があり、より滑稽な印象を与えます。一方、鶴の恩返しは、より悲哀感のある結末となっています。

ぶんぶく茶釜は実在の寺院(茂林寺)と結びついた伝説であり、地域の観光資源としても活用されています。これに対し、鶴の恩返しは特定の地域との結びつきが強くない点も特徴的です。

ぶんぶく茶釜から得た教訓を転職に活かす方法

先入観にとらわれない:

和尚が最初は茶釜の不思議な能力を信じなかったように、新しい環境や人々に対して先入観を持たず、オープンな姿勢で接することが大切です。

他者を助ける姿勢

古道具屋がたぬきを助けたように、新しい職場でも同僚や上司を助ける姿勢を持ちましょう。これにより、良好な人間関係を築き、自身のキャリアにも良い影響をもたらす可能性があります。

柔軟性と適応力を持つ

茶釜に化けたたぬきのように、新しい環境や役割に適応する能力を磨きましょう。転職先では、新しいスキルを学び、異なる業務スタイルに順応する必要があります。

自分の才能や強みを活かす:

茶釜が芸を披露して成功したように、自分の特技や強みを新しい職場で発揮することが重要です。

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