塩ふきうす:海が塩辛い理由とは?石臼が巻き起こす富と破滅の物語

塩ふきうすしおふきうすとは?

『塩ふきうす』とは、
欲張りな兄と正直な弟が登場する日本の昔話で、不思議な力を持つ石臼を巡る物語です。

『塩ふきうす』のあらすじ

昔々、あるところに欲張りな兄正直者の弟が住んでいました。

兄は大きな家に住んでいましたが、弟は貧乏でした. ある年の暮れに、弟は兄の家へお米と味噌を借りに行きましたが、兄は貸してくれませんでした。

がっかりして帰る途中、弟はおじいさん(または老人)に出会います 。

そのおじいさんは、弟に「洞穴に行って、石でできた動くものを持ってくると良い」と言いました。弟が言われた通りにすると、そこには石臼がありました。

おじいさんは、その石臼は右に回すと欲しいものが出てきて、左に回すと止まると教え、姿を消しました。

弟が試しに石臼を回すと、お米が出てきました。弟はそれから、鮭や馬、屋敷などを出して、一夜にして長者になりました。

弟がお金持ちになったことを知ったは、石臼のことを聞きつけ、石臼を盗み出して逃げ出します。

船で逃げる途中、お兄さんはお菓子ばかり食べていて塩気が欲しくなり、石臼を回して塩を出しました。しかし、石臼の止め方を知らなかったので、塩はどんどん出てきて、ついには船ごと海の底に沈んでしまいました 。

今でも、その石臼は海の底で塩を出し続けているので、海の水はしょっぱいと言われています。

『塩ふきうす』の良い点、悪い点

良い点 悪い点
  • **因果応報の教訓**:欲深い兄の行動が、最終的に彼自身を破滅させるという結末は、因果応報の教訓を明確に示している。
  • **道徳的な教訓**:正直で勤勉な弟が最終的に幸せになるという対比は、正直さや勤勉さの価値を強調している。
  • **物語の起源の説明**:海が塩辛い理由を物語を通して説明することで、子供たちの素朴な疑問に答えている。
  • **安易な解決**: 弟が石臼を手に入れる過程が、**老人に言われた通りに行動するだけで**、努力を要しないため、安易に幸運を得ているように見える。
  • **結末の悲劇性**: 欲深い兄が海の底に沈んでしまうという結末は、子供向けの物語としてはやや悲劇的で、後味が悪く感じられる可能性がある。

『塩ふきうす』から得られる教訓

  • 欲深い行いは身を滅ぼす:物語の中で、兄は弟の成功を妬み、魔法の臼を盗んで自分の利益だけを追求しようとします。しかし、その結果、臼の使い方がわからずに海に沈んでしまうという悲惨な結末を迎えます。これは、過度な欲は最終的に自分自身を破滅させるという教訓を示しています。

  • 物事の本質を見抜くことの重要性:弟は、老人の言葉を信じて行動し一見すると価値のない麦まんじゅうを石臼と交換するという判断をしました。一方、兄は目先の利益にとらわれ、魔法の臼の正しい使い方を学ぼうとしませんでした。このことから、表面的には価値がないように見えるものでも、その本質を見抜くことまた、物事の正しいやり方を学ぶことが重要であるという教訓が得られます。

『塩ふきうす』と『舌切り雀』を比較

『塩ふきうす』と『舌切り雀』は、日本の代表的な昔話です。両者には類似点と相違点がありますので、以下の表で比較してみましょう。

特徴 塩ふきうす 舌切り雀
主人公 貧しい弟 優しいおじいさん
敵対者 欲深い兄 意地悪なおばあさん
魔法の道具 塩を出す臼 宝物の入った葛籠
物語の展開 弟が臼で豊かになり、兄が臼を盗むが制御できず沈没 おじいさんが雀を助け、お礼に宝物をもらう。おばあさんは欲張って罰を受ける
教訓 欲深さの戒め、知恵の大切さ 親切と欲深さの対比、因果応報
結末 臼が海底で塩を出し続け、海が塩辛くなる おじいさんが幸せに、おばあさんが罰を受ける
国際的な広がり ヨーロッパを中心に世界的に分布 日本の代表的な昔話の一つ

両話とも、欲深さへの戒めと善行の報いというテーマを共有しています。『塩ふきうす』は海の塩辛さの由来を説明する要素があり、より広い地理的分布を持つのが特徴です[2]。一方、『舌切り雀』は日本の「五大昔話」の一つとして特に人気が高く、日本文化により深く根付いています。

両話とも、善良な主人公が魔法の品物を手に入れ、それを妬む人物が罰を受けるという構造を持っています。これらの昔話は、善行と謙虚さの大切さ、そして過度の欲望の危険性を教える道徳的な役割を果たしてきました。

『塩ふきうす』から得た教訓を転職に活かす方法

『塩ふきうす』の物語から得られる教訓を転職活動に活かすには、以下の点を考慮すると良いでしょう。

  • 正直さと勤勉さ:物語の弟は正直者で働き者であり、その結果、不思議な石臼を手に入れることができました。転職活動においては、自分の強みや経験を正直に伝え、勤勉に努力することが大切です。
  • 欲をコントロールする:兄は欲深く、石臼を盗んだ挙句、海の底に沈んでしまいました。転職先を選ぶ際には、目先の利益だけでなく、自分の価値観や長期的なキャリアプランに合った企業を選ぶことが重要です。
  • 感謝の気持ちを忘れない:弟は石臼から得た富を独り占めせず、村の人々にも分け与えました。転職活動においても、面接官や紹介者など、お世話になった人々への感謝の気持ちを忘れずに対応しましょう。
  • 安易な道を選ばない:兄は石臼を盗み、安易に大金持ちになろうとしましたが、結局失敗しました。転職においても、楽な道や安易な成功を求めるのではなく、自分のスキルアップやキャリア形成につながる道を選ぶべきです。
  • 情報収集と確認の重要性: 兄は石臼の正しい使い方を知らなかったため、最後は溺れてしまいました。新しい職場や仕事内容に関する情報を十分に収集し、不明点は確認するようにしましょう。

これらの教訓を踏まえ、転職活動においては、自己分析をしっかりと行い、自分の価値観とキャリアプランに合った企業を選ぶこと、そして、正直に、誠実に、感謝の気持ちを忘れずに行動することが成功への鍵となるでしょう。

まんが日本昔ばなしの『塩ふきうす』の無料動画


『塩ふきうす』の関連書籍


他のまんが日本昔ばなしを少し読む

うばすて山のあらすじ


  1. 昔、ある国では、**60歳以上の年寄りは山へ捨てなければならない**という掟がありました。

  2. ある男は、**60歳になった母親**を泣く泣く背負って、**姥捨て山**へ向かいます。

  3. 母親は、**息子が帰り道に迷わないように**、道の途中で木の枝を折って目印を作ります。

  4. 息子は、山奥に母親を降ろしますが、どうしても**母親を置いて帰ることができず**、連れ帰ります。

  5. 息子は、**母親を家の床下に隠し**、毎日を過ごしました。

  6. ある日、隣国から「**灰で縄を編め**」という難題が持ち込まれます。

  7. 母親は、**縄を塩水につけて乾かし、焼けば良い**と息子に知恵を授けます。

  8. 難題を解決したことで、国は隣国からの侵攻を免れました。

  9. その後も、隣国から「**七節の曲がった竹に糸を通せ**」「**叩かないでも鳴る太鼓を作れ**」などの難題が出されますが、母親の知恵で全て解決します。

  10. 殿様は、この知恵が**60歳を過ぎた母親のもの**だと知り、**年寄りを捨てることをやめさせました**。

■記事へ行く
うばすて山 – まんが日本昔ばなし